ウィズコロナ時代のインバウンド対策~すぐに使える接客英語!宿泊施設(ホテル・旅館)編~

新型コロナの動きはいまだ楽観視できず、ウィズコロナの生活も長くなりましたが、諸外国の様子を見ると、それでも皆さんのお店・会社に外国人観光客が訪れる日は近づいていると言えます。

その一方で外国人観光客と接する業界からは、「英語」で接客することに対する苦手意識が根強く聞かれます。どのような接客をすれば、外国人観光客の満足度を上げることができるのでしょうか?

今回はホテル・旅館などの宿泊施設に向けて、すぐに使える接客英語をご紹介したいと思います。

利用客は非ネイティブが多い

外国から訪れるのは英語圏の人ばかりではありません。実際に日本を訪れている外国人観光客の割合を見てみるとそのことが分かります。

2018年度:国別訪日外国人数

第1位:中国

第2位:韓国

第3位:台湾

第4位:香港

第5位:米国

(引用URL:https://www.tourism.jp/tourism-database/stats/inbound/)

上位を占めているのは非英語圏の人たちです。

お互いに英語を母国語として使うわけではないからこそ、簡単に伝わる英語を使うことが重要です。難しい単語や文章を使う必要はないので、すぐに言える短いフレーズを使いましょう。

チェックイン時のフレーズ

まずはチェックイン時のフレーズから、ご紹介します。

チェックイン時のコミュニケーションは、ホテルや旅館の第一印象を決める、非常に重要な場面です。笑顔で明るいあいさつを心がけましょう。

【時間帯に応じたあいさつ】

「Good morning(おはようございます)」「Good afternoon(こんにちは)」など、時間帯を考慮してあいさつをしましょう。あいさつをしたあとは、「How are you today?(ご機嫌いかがですか?)」のように、相手を気にかける一言があると、さらに印象が良くなりますよ。

また、「Welcome to ○○ hotel.(○○ホテルへようこそ)」と、ホテルや旅館に来てくれたお客さまを歓迎しましょう。

【予約の確認】

「Do you have a reservation?(ご予約はされていますか?)」と、予約の確認をするとスムーズです。

【チェックインの確認】

「Are you checking in?(チェックインをされますか?)」と、予約の確認以外にも、チェックインをするのかどうかを確認するのもよいでしょう。

【予約名の確認】

「May I have your name, Sir/Ma’am?(お名前をちょうだいできますか?)」の一言で、お客さま予約名を確認することができます。

このフレーズのポイントは、文末の「Sir/Ma’am」の部分です。男性には「Sir」、女性には「Ma’am」を使用しましょう。最後に「Sir/Ma’am」があるだけで丁寧な表現になり、お客さまに好印象を持ってもらえます。

【宿泊者カードへの記載】

予約を確認できたら、宿泊者カードへの記載をお願いします。その際は「We have your reservation. Could you fill out this form, please?(ご予約を承っております。こちらにご記入をいただけますか?)」と伝えればOKです。お客さまに何かをお願いする際は、文末にpleaseを付けると丁寧な印象になります。

【部屋番号を伝える】

「Your room number is 230 on the second floor.(部屋番号は、2階の230号室です)」と、部屋番号や階数を伝えます。

数字は聞き間違いをすることもあるので、カギに部屋番号があればそれを見せたり、紙に書いたりすると、間違えずに伝えることができます。

【最後に】

部屋番号を伝えたあとは、「Please feel free to ask us for anything.(何かございましたら、ご遠慮なくお申しつけください)」と一言添えると良いでしょう。お客さまにおもてなしの心が伝わるフレーズです。もしくは「Enjoy your stay(ごゆっくりどうぞ)」のようなフレーズも使うことができます。

宿泊中のフレーズ

次に宿泊中に使えるフレーズをご紹介します。

【困っているお客さまを見かけたら】

ホテルや旅館内でお困りのお客さまを見かけたら、「May I help you?(何かお困りですか?)」とお声がけしてみましょう。

【レストランの予約】

ホテルや旅館内にレストランがある場合、予約をお願いされる可能性があります。

お客さまから「I would like to reserve a table for dinner tonight.(今夜の夕食のために予約をしたいです)」と言われたら、以下のようなフレーズを使うことができます。

「Which restaurant would you like to go?(どちらのレストランがよろしいでしょうか?)」

「At what time?(何時になさいますか?)」

「How many people Sir/Ma’am?(何名さまでしょうか?)」

「I will reserve a table for you. Could I have your name and room number, please?(テーブルをお取りしておきます。お名前と部屋番号をちょうだいできますか?)」

【浴衣について】

旅館であれば、パジャマではなく浴衣を用意しているところも多いでしょう。

そんなときには、「This is your Yukata robe to wear after bathing.(こちらはお風呂上がりにお使いいただく浴衣です)」と伝え、実際に洋服の上から着せてあげるなど浴衣の着方もレクチャーしましょう。

【布団について】

旅館にはベッドがないため、外国人観光客はビックリするかもしれません。そんなときは「We will come to prepare the Futons.(お布団の準備にうかがいます)」と伝えしましょう。最後に「at ○pm」を加えることで、何時に布団の準備をするのかをお知らせすることもできます。

【大浴場について】

各部屋に浴室がある場合でも、大浴場があればぜひ案内しましょう。そんなときは「The main bathroom is on the top floor.(大浴場は最上階にございます)」というように、どこにあるのかを伝えます。

チェックアウト時のフレーズ

最後にご紹介するのは、チェックアウト時のフレーズです。お客さまにホテルや旅館での滞在が良い時間だったと思っていただけるよう、笑顔の接客を心がけましょう。

【チェックアウトの確認】

「Are you checking-out?」「Are you ready to check out?」

どちらも、「チェックアウトでいらっしゃいますか?」と尋ねるフレーズです。

「Yes, I am」「Yes, I would like to check out.」と返答があれば、チェックアウトの手続きを進めます。

【有料サービスの利用】

有料サービスの利用については、「Did you have anything from the mini-bar?(昨夜ミニバーのご利用はございましたか?)」といったフレーズを使うことができます。もしご利用があれば、「Please check your bill.(請求書をご確認ください)」と言葉を添えて、一緒に請求書を確認しましょう。

【支払いについて】

支払いの際には、現金もしくはクレジットカードでの支払い、どちらを希望されるのか確認します。

「お支払いはどのようにされますか?」と伝える場合は、「How would you like to pay?」「How will you be paying for this bill?」のようなフレーズを使います。お客さまからの返答が「Cash」であれば、現金での支払いです。お釣りを渡す際は「This is your change.(こちらはお釣りです)」と言って両手を添えて返しましょう。

【クレジットカードでの支払い】

クレジットカードによっては、利用できないものもあるかもしれません。そんなときは「I am sorry, we can’t accept this credit card.(大変申し訳ございませんが、こちらのクレジットカードはご利用いただけません)」とお詫びしましょう。

またクレジットカードによる支払いの場合は、「I just need your signature here.(ご署名をお願いします)」と手で署名するところを示しサインをもらいます。

【最後のあいさつ】

すべての手続きが済んだら、お見送りです。

「Enjoy the rest of your holiday.(良い休暇をお過ごしください)」

「Have a safe trip home.(お気をつけてお帰りください)」

「Thank you again for staying with us.(当ホテルにご宿泊いただき、ありがとうございました)」

と笑顔で伝えます。

英語でのコミュニケーションは慣れないうちは緊張しますが、簡単な単語やフレーズから覚えて、どんどん使っていきましょう。きっと英語を話すことが楽しくなります。

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