飲食店のインバウンド対策~外国人観光客が喜ぶお店づくりに必要なこと 2~
前回は、飲食店での外国人観光客対応に必要なものとしてソフト面の『スタッフの接客マインド』の醸成と『多様性に対する柔軟な対応』を挙げました。
今回は、すぐに取り組めるものも含めたハード面の対応策をご紹介します。
【メニューの視覚化と多言語対応】
外国人客が飲食店で困ったシーンとして多く挙げるのが『注文するとき』です。文字だけのメニューでは注文も一苦労、そこで店舗スタッフのヘルプもないとなると外国人客が食べたいものが提供される確率はかなり低いでしょう。
最近、タッチパネルで注文するスタイルの飲食店を見かけるようになりましたが、このスタイルはインバウンドにもわかりやすいと好評です。ぜひ英語、中国語(できれば簡体字、繁体字のどちらも表記)も併せて記載してください。あるお好み焼き店では、焼き方・食べ方もタッチパネルの動画で見られるようにしてインバウンドに喜ばれています。
しかし、設備の導入に費用が掛かるのがネック。まずは費用をかけずに取り組みたいという場合はぜひ、写真入りのメニューを導入してください。
また、日本独自のメニューを外国語訳する際は、単にローマ字表記にするだけではなく、どのような食事なのかイメージが伝わる表記を心がけるとよいでしょう。
たとえばすき焼きの場合は、『Sukiyaki』でも通じる可能性がありますが、『Japanese Beef Hot Pot(salty-sweet)』などといった表現をすることで、料理内容がグッと伝わりやすくなります。ちなみに『salty-sweet』は日本語の『甘辛』味。素材や調味料も記載したり、マークで表示するとさらに良いです。
表記については翻訳会社に相談したり、インターネットで調べてみたりするとよいでしょう。
【Wi-Fi環境の整備】
日本人同様、外国人観光客にとっても、スマートフォンでの情報収集は必要不可欠で、Wi‐Fi環境を整えておくと喜ばれるでしょう。
お店のWi‐Fi環境が整っているのが当たり前の国もあるため、Wi‐Fiがないことでお店の評価が下がってしまう可能性も十分にありえます。自治体によってはフリーWi-Fi環境を整備しているところもあり、またWi-Fi設備の設置に助成金があるところもありますので、一度調べてみることをおすすめします。
【キャッシュレス決済】
キャッシュレス決済後進国と言われる日本、中国やカナダ、アメリカ、ヨーロッパの多くの国ではキャッシュレス化が進み、財布を持ち歩かない人も多いと言われています。
多くの外国人客はそれなりの日本円を用意して、訪日旅行に臨んでいる方がほとんどですが、クレジットカード対応やスマホアプリ決済対応をしておくことで、入店、売上のチャンスを取りこぼさずにすみます。お店には、キャッシュレス決済OKの表示をしておきましょう。なおクレジットカードでの支払いは、現金決済よりも客単価が高くなる傾向があると言われおり、後払い型の電子マネーにも同様の傾向が見られます。
キャッシュレス決済の導入にはスマホやタブレット、カードリーダーなどが必要ですが、店舗側の負担を軽減させる国の補助もあり(『キャッシュレス・消費者還元事業』2019年7月現在)、今後も増加が見込めるインバウンドを取り込んでいくにも、メリットは大きくぜひ取り組みをおすすめします。
訪日外国人の増加に戸惑いを感じる人もいるかもしれませんが、世界中の人に日本の料理、そして自分のお店を知ってもらう「大きなチャンス」とも言えます。地域、日本だけでなく世界中のお客様があなたのお店のお客様に!そのために、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
0コメント