外国人スタッフ育成のポイント③

外国人スタッフを受け入れている店舗や施設は増加の一途をたどっています。

しかし現場では必ずしも日本人と外国人の協働が上手く行っているケースばかりではありません。

ともすれば、「日本人グループ」と「外国人(それも国別)グループ」に分かれてしまい、却って職場が上手く回らないという現象が起こりがちです。

これを防ぎ、良い職場にしていくにはお互いを知るということが不可欠です。それが日本人側にとって初めは「理解しにくい」ことであっても、「あの人は○○人だから」で終わるのではなく、それぞれが知る努力をすることでその後の職場の人間関係が大きく変わってきます。

例えば私は、とあるアジアの国出身の方と働いていた時に、彼女が整理整頓をしないことに不満を持っていました。出したものは出しっぱなしで、掃除も日本人から見ると雑なため、日本人がその後始末をすることになり、仕事が効率的に進まないのです。当時は「なんていい加減な人なんだろう!」と思っていたのですが、追々話をする機会が増えて知ったことは、その国では「家庭科」という科目を学校で学ぶことがなく、両親も共働き世帯が多いため、家事を子供が教わることがなく大人になる(家事はお手伝いさんがする仕事)ということ。それでは整理整頓が苦手なことも少し理解ができます。

そして私が、日本では義務教育で男女とも「家庭科」の科目があり、整理整頓は通知表の評価項目になるぐらい大切なこととされているのよ、と文化を紹介すると彼女は合点がいったようで、その後は改善しようと努力していました。

このように、違いを違いとして受け止めること(たとえそれが理解しづらいことであっても)は、多文化共生の第一歩です。理解できなくても知る、で変わることは多いのです。

しかし、人手不足に悩む現場ではなかなか異文化理解の時間を取れないのも事実。仕事の後の「飲みニュケーション」も多くの諸外国では好まれないことも多々です。

そこで、コミュニケーションや会話のきっかけになるお勧めは「食べ物」。全員集合する機会がなかなかない職場では、休憩室にちょっとつまめるお菓子を置いてみませんか。初めは日本のお菓子だけだったのが、スタッフの祖国のいろいろなお菓子が集まるようになりますよ。そこから会話とコミュニケーションが始まります。

もし一人が全部持って行ってしまう・・・?!なんてご心配ならば「おひとり一つずつどうぞ」“Please take one each😊!”と添えて。

株式会社ニココム

接客/応対の質を、組織の力に 現場で成果につながる“伝わる接遇”を育てます 接客・応対コミュニケーション研修 CSコンサルティング 人材育成のニココム